内装デザインの基本

クリニックの内装デザインは「見た目」だけでは決まりません

クリニックの内装デザインは、単なる見た目の良さだけでなく、
患者さまの安心感・スタッフの働きやすさ・衛生面・動線・診療効率まで含めて考えることが大切です。

1. デザインの方向性を決める

1-1. どんなクリニックにしたいかを明確にする

内装デザインを考える最初のステップは、
「どんなクリニックを目指すか」を明確にすることです。

診療科によって、求められるデザインの方向性は大きく変わります。

診療科別のデザイン傾向

小児科
明るい色、やわらかい素材、親しみやすさ、安全設計を重視します。
お子さまや保護者が安心しやすい雰囲気づくりがポイントです。

内科・皮膚科
落ち着いた色調、清潔感、シンプルさ、わかりやすい動線が重要です。
幅広い年齢層にとって、見やすく迷いにくい空間が向いています。

整形外科・リハビリ科
広い動線、転倒防止、耐久性、防音性を意識します。
車椅子や杖の利用、リハビリ導線まで考えた設計が大切です。

美容皮膚科・美容外科
高級感、特別感、非日常性、プライバシー性を重視します。
カウンセリング空間や照明設計も満足度に大きく影響します。

歯科
衛生管理、半個室・個室化、消毒動線の最適化が重要です。
清潔感に加え、音や視線への配慮もポイントになります。

1-2. 医療空間に必要な「心理的デザイン」

医療機関では、患者さまが不安や緊張を感じやすいため、
安心できる印象づくりがとても重要です。

  • 清潔感=真っ白だけではない
    温かみのある白やベージュを使うと、冷たくなりすぎません。
  • 安心感のある配色
    ブルー・グリーンは医療空間と相性がよく、落ち着いた印象になります。
  • 受付や案内の見やすさ
    受付の位置が分かりやすいだけでも、初診の不安を軽減できます。
  • プライバシーへの配慮
    視線や音漏れをコントロールする設計が安心感につながります。

1-3. スタッフ動線もデザインの一部

良い内装デザインは、患者さまの見え方だけでなく、
スタッフが働きやすいことも含めて成立します。 内装のデザイン性_提出用

動線を整えるメリット
  • 移動距離が短くなり、業務効率が上がる
  • ヒューマンエラーの予防につながる
  • 患者さまの滞在時間が短くなり、満足度が上がる
  • スタッフ同士の連携がしやすくなる
患者さまの基本動線(例)
STEP
受付

来院後に最初に立ち寄る場所。
位置がわかりやすいと、初診の不安をやわらげやすくなります。

STEP
待合

受付後に落ち着いて待てる場所。
診察室への呼び出しがスムーズにつながる配置が理想です。

STEP
診察室

待合から迷わず移動できる導線を意識します。
プライバシーや視線にも配慮できると安心感につながります。

STEP
検査室・処置室(必要な場合)

診療内容に応じて移動するスペース。
患者動線とスタッフ動線がぶつかりにくい配置がポイントです。

STEP
会計

診療後の流れが止まらないよう、出口とのつながりも意識します。
混雑しにくい設計にすると満足度が上がりやすくなります。

患者動線(例)

受付 → 待合 → 診察室 → 検査室・処置室 → 会計 → 退出

  • 受付の位置がわかりやすい
  • 待合から呼び出ししやすい
  • 診察後の会計まで流れが止まりにくい
  • 視線や音への配慮ができている
スタッフ動線(例)

バックヤード → 診察室 → 処置室 → 消毒・準備スペース → 会計補助

  • 移動距離を短くできる
  • 備品補充や準備がしやすい
  • 患者動線とぶつかりにくい
  • スタッフ同士の連携がとりやすい
ポイント

動線設計は、見た目のデザインより後ではなく、
レイアウト検討の早い段階で一緒に考える と、手戻りを減らしやすくなります。

2. 施工事例を見るときのチェックポイント

施工事例を見るときは、雰囲気だけでなく、
「なぜこの素材・色が選ばれているのか」まで見るのがポイントです。

2-1. 素材と色の選び方を読み解く

クリニックでは、次のような観点が素材選びの基準になります。

素材・建材を選ぶときの確認ポイント
項目確認ポイント
抗菌性抗菌・抗ウイルス仕様の素材か。医療空間に適した性能表示があるか。
汚れの目立ちにくさ髪の毛・ホコリ・水はね・皮脂汚れなどが目立ちにくい色味・質感か。
清掃のしやすさ水拭き・乾拭きがしやすいか。凹凸が少なく、日常清掃しやすい素材か。
アルコール・消毒液への耐性消毒液やアルコールで変色・劣化しにくいか。日常運用に耐えられるか。
耐久性車椅子・ストレッチャー・台車の使用を想定して、傷・摩耗に強いか。

参考にしやすい他業種の空間デザイン

クリニックの内装づくりでは、医療施設だけでなく、他業種の空間づくりも参考になります。
「どんな印象をつくりたいか」という視点で見ると、取り入れやすいヒントが見つかります。

ホテル
(ホスピタリティ)

上質感や安心感、案内のわかりやすさなど、
「はじめて来る人が不安なく過ごせる空間設計」が参考になります。

取り入れやすいポイント
  • 受付まわりの見え方
  • 落ち着いた照明計画
  • 待合スペースの快適性
スパ・エステ
(リラックス感)

緊張をやわらげる配色や照明、静かな雰囲気づくりなど、
「気持ちを落ち着かせる設計」が参考になります。

取り入れやすいポイント
  • やわらかい色づかい
  • 間接照明の使い方
  • 音や視線への配慮
カフェ
(居心地の良さ)

長く居たくなる空間のつくり方や、
圧迫感のないレイアウト、自然素材の使い方が参考になります。

取り入れやすいポイント
  • 木目の使い方
  • 座席間の距離感
  • やわらかい雰囲気づくり
高級サロン
(ブランド感)

特別感や世界観の統一、素材や照明で魅せる演出など、
「選ばれる理由になる空間づくり」が参考になります。

取り入れやすいポイント
  • 配色の統一感
  • 素材の組み合わせ
  • サイン・小物の見せ方
キッズスペースのある施設
(安全性)

安全設計や視認性、保護者が見守りやすい配置など、
小児科やファミリー層向けのクリニックに特に参考になります

取り入れやすいポイント
  • 角の少ない家具
  • 見守りやすい配置
  • 安心感のある色づかい

3. 素材・建材から考える

3-1. 床材は印象と機能を左右する

床は、患者さまの目に入りやすく、
清潔感・安心感・高級感などの印象に大きく影響します。

素材・建材を選ぶときの確認ポイント
項目確認ポイント
抗菌性抗菌・抗ウイルス仕様の素材か。
医療空間に適した性能表示があるか。
汚れの目立ちにくさ髪の毛・ホコリ・水はね・皮脂汚れなどが目立ちにくい色味・質感か。
清掃のしやすさ水拭き・乾拭きがしやすいか。
凹凸が少なく、日常清掃しやすい素材か。
アルコール・消毒液への耐性消毒液やアルコールで変色・劣化しにくいか。
日常運用に耐えられるか。
耐久性車椅子・ストレッチャー・台車の使用を想定して、傷・摩耗に強いか。
部屋別に見る床材の選び方(例)
場所おすすめ素材(例)理由
待合室木目調の長尺シート
塩ビタイル
清潔感とやわらかい印象を両立しやすく、居心地の良い雰囲気をつくりやすい
診察室フラットな塩ビシート
長尺シート
清掃しやすく、衛生管理しやすい。凹凸が少ないと日常清掃の負担を減らしやすい
トイレ防滑性・防水性の高い床材(防滑シート等)水はねが起きやすいため、滑りにくさと清掃性を重視したい
リハビリ室クッション性のある床材
滑りにくい長尺シート
転倒予防・足腰への負担軽減に配慮しやすく、動作訓練にも向いている

3-2. 壁材・天井材も「機能性」で選ぶ

壁や天井も、見た目だけでなく、
清掃性・耐久性・音環境の観点が重要です。

部位別に見る壁材・天井材の選び方(例)
部位おすすめ素材(例)理由
待合室の壁抗菌クロス
汚れが拭き取りやすいビニールクロス
清潔感を保ちやすく、日常清掃がしやすい。
来院時の第一印象にもつながる。
診察室の壁抗菌クロス
耐久性のあるビニールクロス
清掃・消毒のしやすさが重要。診療時に清潔感を維持しやすい。
廊下・動線部の壁(腰壁含む)腰壁パネル
傷に強い壁材
耐久性のあるクロス
車椅子や台車の接触が起こりやすく、傷・汚れ対策が必要。
処置室・検査室の壁拭き取りやすいビニールクロス
耐薬品性に配慮した壁材
消毒頻度が高く、アルコール等で劣化しにくい素材が安心。
カウンセリング室の壁防音性に配慮した壁材(吸音下地+クロス等)音漏れを抑え、プライバシーに配慮しやすい。
天井(待合・共用部)吸音性のある天井材
メンテしやすい天井材
反響音を抑えやすく、落ち着いた空間づくりに役立つ。
天井(診察室・処置室)清掃しやすい天井材
衛生的に保ちやすい仕上げ
衛生面とメンテナンス性のバランスが取りやすい。
水まわり周辺の壁防水性・耐汚染性に配慮した壁材水はね・汚れが発生しやすく、拭き取りやすさが重要。
壁材・天井材選びのポイント

壁や天井は、完成後に「見た目」だけで判断しがちですが、実際は 清掃のしやすさ・消毒への耐性・音の響き方 が使いやすさに直結します。
特に、処置室や歯科・美容系の空間では、アルコールや薬剤への耐性も確認しておくと安心です。

4. 実用性を意識したデザイン設計

4-1. 患者動線とスタッフ動線を分ける

クリニック設計では、
患者動線スタッフ動線を分けることが非常に重要です。

患者動線とスタッフ動線を分けて考える

クリニックでは、患者さまの動線とスタッフの動線を分けて考えることで、
安心感・衛生面・業務効率のバランスを取りやすくなります。

患者動線(例)

受付 → 待合 → 診察室

ポイント
  • 来院後の流れがわかりやすい
  • 迷いにくく、案内しやすい
  • 待合から診察室への移動がスムーズ
スタッフ動線(例)

バック動線 → 処置室・バックヤード

ポイント
  • 患者動線と交差しにくい
  • 準備・移動・連携がしやすい
  • 業務の流れを止めにくい
補足

消毒室・スタッフルーム・更衣室は、患者さまから見えにくい位置に配置すると、
生活感を抑えつつ、院内の動線を整理しやすくなります。

動線を分けるメリット

  • プライバシー保護
  • 院内感染対策
  • 業務効率の向上

4-2. 診療科ごとに実用性の条件は変わる

診療科によって、必要な実用性は異なります。

整形外科|動きやすさと安全性を優先する

整形外科では、杖・車椅子・歩行補助具を使う患者さまも多いため、
通路幅・床の安全性・移動しやすさ を優先して考えることが大切です。

ポイント
  • 通路はできるだけ広く確保する
  • 曲がり角や出入口で動きにくくならないようにする
  • 床は滑りにくく、段差を少なくする
  • 待合や診察室でも立ち座りしやすい配置にする
実用性の視点

見た目のデザインより先に、
「安心して歩けるか」「移動しやすいか」を整えると使いやすい空間になりやすいです。

小児科|安全性と見守りやすさを重視する

小児科では、お子さまの動きに配慮した設計が重要です。
安全性・見守りやすさ・やわらかい印象 を意識すると、保護者の安心感にもつながります。

ポイント
  • 角の少ない家具・什器を選ぶ
  • 転倒しにくい床材を選ぶ
  • 保護者が見守りやすい配置にする
  • 手洗い・消毒の位置をわかりやすくする
  • 圧迫感の少ない色づかいにする
実用性の視点

「かわいさ」だけでなく、
安全に過ごせること・保護者が動きやすいことを優先して整えるのがポイントです。

精神科・心療内科|圧迫感を抑えた落ち着きが大切

精神科・心療内科では、患者さまが安心して過ごせるよう、
圧迫感の少ない空間・強すぎない刺激・落ち着いた雰囲気 を意識することが大切です。

ポイント
  • 強すぎる照明やコントラストを避ける
  • やわらかい色調で統一する
  • 音の響きが強すぎないように配慮する
  • 視線が気になりにくい待合レイアウトにする
  • カウンセリング室のプライバシー性を高める空間
実用性の視点

派手さよりも、
「安心して話せる」「落ち着いて待てる」ことを重視すると、満足度につながりやすいです。

歯科|配管・器具動線・衛生管理を整える

歯科では、ユニット配置や配管計画、消毒導線など、
設備と動線の実用性 が内装の使いやすさに直結します。

ポイント
  • ユニットまわりの器具動線を短くする
  • 消毒・洗浄の動線を整理する
  • 患者さまから見える範囲の清潔感を保つ
  • 半個室・個室化で視線や音に配慮する
  • スタッフが無理なく動ける通路を確保する

実用性の視点

見た目だけでなく、
診療の流れ・準備・片付けまで含めて設計すると、運用しやすい空間になりやすいです。

美容皮膚科・美容外科|プライバシーと特別感を両立する

美容系のクリニックでは、清潔感に加えて、
プライバシー性・世界観・満足感の高い空間演出 が大切になります。

ポイント
  • カウンセリング室の防音性を高める
  • 他の患者さまと視線が合いにくい導線にする
  • 受付〜待合〜施術室の印象を統一する
  • 照明でやわらかさ・上質感を演出する
  • 鏡まわりや仕上がり確認の見え方に配慮する
実用性の視点

「高級感」だけでなく、
安心して相談できること・居心地よく過ごせることを両立すると満足度が上がりやすくなります。

内科・皮膚科|わかりやすさと清潔感を整える

内科・皮膚科などの一般診療では、幅広い年代の患者さまが来院するため、
わかりやすい導線・清潔感・待ちやすさ をバランスよく整えることが大切です。

ポイント
  • 受付の位置をわかりやすくする
  • 待合から診察室まで迷いにくい配置にする
  • 清掃しやすい素材を選ぶ
  • 表示・サインを見やすくする
  • 混雑時も動きやすい動線を意識する
実用性の視点

特別な演出よりも、
「迷わない」「使いやすい」「清潔に見える」ことが満足度につながりやすいです。

診療科によって求められる条件は異なるため、
まずは「どんな患者さまが多いか」「どんな診療の流れか」を整理してから内装を考えると、使いやすい空間をつくりやすくなります。

5. クリニック内装をおしゃれに見せるコツ

5-1. 床の色と素材のバランスを考える

床は空間の印象を大きく左右します。
清潔感・落ち着き・高級感の出し方は、床選びでかなり変わります。

注意点
  • 車椅子・ストレッチャーの走行を想定した耐久性が必要
  • 暗い床は髪の毛やホコリが目立ちやすい
  • 明るすぎる床は反射が強く、まぶしく感じることがある
人気の組み合わせ(例)
  • 白 × グレー × 木目(特に美容系で人気)

5-2. 配色は「70:25:5」の黄金比で整える

配色を整えると、空間全体に統一感が出ます。

配色の黄金比(70:25:5)の使い分け
役割割合(目安)色の例使う場所の例
ベースカラー70%白、オフホワイト、ライトグレー、ベージュ壁・天井・大きな面積の床など
アソートカラー25%木目、淡いブルー、やわらかいグリーン、グレージュ受付まわり、家具、建具、一部の壁面
アクセントカラー5%黒、チャコールグレー、真鍮色、深いグリーンサイン、照明金物、取っ手、小物、ロゴまわり

5-3. 装飾は「やりすぎない」ことが大切

医療空間では、装飾を増やしすぎるよりも、
信頼感を保ちながら、温かみを足す くらいのバランスがちょうどよくなりやすいです。

見た目の印象だけでなく、清潔感や落ち着きも含めて整えるのがポイントです。

装飾は増やしすぎない

装飾要素が多すぎると、空間が雑然として見えたり、清潔感が伝わりにくくなることがあります。
まずはベースを整えて、必要な要素だけを足していくのがおすすめです。

取り入れ方のポイント
  • 壁面装飾は場所を絞る
  • 色数を増やしすぎない
  • 小物はテーマをそろえる
アートは落ち着いた色調で
そろえる

アートやポスターを使う場合は、色味やテイストをそろえると空間に統一感が出やすくなります。
医療空間では、刺激の強い色や情報量の多いデザインは控えめにするのが安心です。

取り入れ方のポイント
  • 白・ベージュ・グレー系でまとめる
  • 自然モチーフを選ぶ
  • 枚数を増やしすぎない
曲線を取り入れて
圧迫感をやわらげる

直線的な要素だけだと、空間が少しかたく見えることがあります。
一部に曲線を取り入れると、やさしくやわらかい印象になりやすいです。

取り入れ方のポイント
  • 角の丸い家具を選ぶ
  • サインやミラーに曲線を使う
  • 照明の形でやわらかさを出す
カウンセリング室は
「落ち着ける空気感」を
優先する

カウンセリング室は、華やかさよりも「話しやすさ」が大切です。
家庭的な温かさや安心感があると、相談しやすい空間になりやすくなります。

取り入れ方のポイント
  • やわらかい照明にする
  • 木目やファブリックを取り入れる
  • 視線が落ち着くレイアウトにする
緑(観葉植物)

少しグリーンを入れるだけで、清潔感の中にやわらかさが出やすくなります。
置きすぎず、ポイントで使うのがコツです。

使いやすい場所
  • 受付まわり
  • 待合の一角
  • カウンセリング室
木目

木目は、医療空間に温かみを加えやすい素材です。
白やグレーと合わせると、清潔感を保ちながらやさしい印象になります。

使いやすい場所
  • 受付カウンター
  • 建具・家具
  • 待合の一部壁面
石目調

石目調は、上質感や落ち着きを出したいときに相性が良い素材です。
美容系や自費診療系の空間にも取り入れやすいです。

使いやすい場所
  • 受付背面
  • カウンターまわり
  • 一部の壁面アクセント
アイアン(モダン)

黒や濃いグレーのアイアン要素は、空間を引き締めるアクセントになります。
使いすぎず、少量にすると上品にまとまりやすいです。

使いやすい場所
  • 照明器具
  • サイン金物
  • 取っ手・小物類
装飾の考え方のポイント

装飾は「増やす」よりも、全体のバランスを整える という視点で考えると、医療空間らしい清潔感と安心感を保ちやすくなります。
まずはベースの色・素材・照明を整え、その上で小さくアクセントを加えるのがおすすめです。

5-4. 照明で満足度が変わる

照明は、見た目だけでなく、
患者さまの居心地・診療のしやすさにも影響します。

空間別の照明の考え方(例)

同じクリニック内でも、待合・診察・カウンセリングでは求められる光の質が異なります。
場所ごとの役割に合わせて照明を考えると、使いやすさと印象の両方を整えやすくなります。

場所照明の考え方ポイント
待合室温かい色・間接照明を取り入れる緊張をやわらげ、落ち着いて過ごしやすい雰囲気をつくる
診察室正確な色が見える白色光を基本にする診療しやすく、見え方に差が出にくい明るさを確保する
カウンセリング室やわらかい光を使うまぶしさを抑え、話しやすい空気感をつくる
美容施術室色温度に注意して照明を選ぶ肌の見え方が変わるため、色の見え方を確認して調整する

照明は「明るさ」だけでなく、色温度や光の広がり方でも印象が変わります。
とくに美容系の空間では、肌の見え方まで含めて確認しておくと安心です。

6. デザイン実例(参考パターン)

ここでは、クリニック内装で取り入れやすいデザインの方向性を、3つのパターンでご紹介します。

木目 × 白
ナチュラル&クリーン
特徴
  • 木目のやわらかさと白の清潔感を両立しやすい
  • やさしく、親しみやすい印象をつくりやすい
  • 幅広い年代に受け入れられやすい
向いている診療科
  • 内科
  • 皮膚科
  • 小児科
  • リラックス感を出したいクリニック
取り入れやすい要素
  • 木目の受付カウンター
  • 白〜ベージュ系の壁
  • やわらかい照明
  • 小さめの観葉植物
空間づくりのポイント

清潔感をベースにしつつ、木目やグリーンで温かみを足すと、
医療空間らしさと居心地のよさを両立しやすくなります。

グレー × 白
ミニマルデザイン
特徴
  • すっきりとした印象で、洗練された雰囲気をつくりやすい
  • 清潔感を出しつつ、落ち着いたトーンにまとめやすい
  • 情報量を絞ったデザインと相性がよい
向いている診療科
  • 美容皮膚科
  • 歯科
  • 都市型のクリニック
  • シンプルな印象を重視したい空間
取り入れやすい要素
  • ライトグレーの壁面
  • 白い建具・什器
  • 直線的なサインデザイン
  • 黒やチャコールのアクセント
空間づくりのポイント

無機質になりすぎないよう、木目ややわらかい照明を少し加えると、
落ち着きのある上品な印象にまとまりやすくなります。

ビター&シック
上質感のある空間
特徴
  • 落ち着きと高級感を演出しやすい
  • 特別感・非日常感を出したい空間に向いている
  • 素材や照明の見せ方で印象が大きく変わる
向いている診療科
  • 美容外科
  • 自費診療クリニック
  • 形成外科
  • ブランド感を重視したいクリニック
取り入れやすい要素
  • 濃い木目や石目調のアクセント
  • 間接照明
  • 黒系の金物(アイアン)
  • 落ち着いたアートやサイン
空間づくりのポイント

暗くなりすぎないように、壁や天井のどこかに明るさを残すと、
高級感を保ちながら圧迫感を抑えやすくなります。

デザイン実例の見方

実例を見るときは、見た目の雰囲気だけでなく、
どの診療科に向いているか/どんな素材や照明を使っているか まで見ると、自院に合う方向性を整理しやすくなります。

まとめ|デザイン性と医療機能を両立する

クリニックの内装デザインを成功させるには、
次の要素をバランスよく考えることが重要です。

まとめポイント
  • 患者さまの心理への配慮
  • スタッフが働きやすい動線
  • 衛生管理・清掃性
  • 素材・設備の耐久性と安全性
  • クリニックとしてのブランドづくり

デザイン性は見た目の華やかさだけではなく、
「安心して受診できる空間をつくること」にも直結します。